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《陶土を練ったり乾かしたりする暇に、先生はいつも比叡山を眺めるともなく眺めていられるのであろう。もう見なくてもよく知っているという工合に、長年の知己の如く手の内に入っている。このような景色を四六時中眺めていれば、いい作品ができるのは当り前のことで、先生の陶器の手本は古伊万里や古染付にあっても、その精神の風土は叡山の四季にあることを想ってみずにはいられない。
いつも変わらぬ穏やかな表情で、長身を少し持てあまし気味に、ズボンに下駄をつっかけて、お宅から工房への道のりを飄々と歩いて行かれる姿は、とてもお医者様のようには見えない。でもやっぱりお医者様なのである。》
(白洲正子「春夏秋冬 加藤静允」より) |
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