| 《福森さんはいつもにこにこしているだけで、あまり多くを語らなかったが、付き合っていれば、人間というものは自然にわかって来る。彼は作家とか陶芸家と呼ばれることが嫌いで、作品という言葉も絶対に使わない。料理が好きになったのも、それを盛る器が作りたかったからで、茶道具にも、オブジェにも、興味はない。家の伝統で、一時茶器の類を手がけたこともあるが、つまらないので止してしまった。ということは、古いものを模倣することがいやなので、現代の生活に合った日常雑器を作りたいのであろう。逆にいえば、それは伊賀本来の焼きものの姿に還ることである。》
(白洲正子「土楽さんの焼きもの──福森雅武」より) |